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板橋区赤塚で予約必至! ワインビストロ『No.1000』に倣う、街に愛される店づくり

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俊也氏はフレンチのほか、さまざまな料理を経験

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「人の流れとつながり」が赤塚出店の決め手。ワインの店がないことを逆手に取り決断

もともとは、ビジネス街の近郊かつ、馴染みのあった大塚駅周辺で物件を探していたという二人だが、最終的に選んだのは赤塚だった。なかなか物件が見つからなかったことも理由の一つに挙げつつ、この街で暮らす人の流れや、飲食店同士のつながりが大きな魅力だったと振り返る。

「僕が隣の練馬区出身ということもあって、生活圏である東武東上線沿線でも物件を探してみたんです。以前から赤塚には、パンと角打ちの名店『まさもと』にパンを買いに行ったり、試飲会に参加させてもらったりしていたので何度か来ることがあったのですが、その度に『この駅前の商店街、いいよね』と二人で話していました」(俊也氏)

8坪弱の敷地にゆったりと席配置された店内

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「小規模ながらも常に人の流れがあるんですよね。周辺には昔ながらの古い民家が多く残る一方で、3路線が利用できることや東京メトロ副都心線と東急東横線が直通運転を開始したこともあって、今は20〜40代のファミリー層の方もすごく増えました。多世代が生活を共にしていたり下町らしい交流があったり、賑わっているなと感じていたんです』(千花氏)

「何より、リスペクトする『まさもと』さんの目の前! ご縁を感じて、やや勢いで決めてしまった部分は否めません(笑)」と千花氏

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あるとき、買い物ついでにふと、テナント物件が出ていたことを思い出し、場所の確認程度のつもりでのぞいたのが、今『No.1000-sen-』がある場所だったという。スケルトンだっただめ、初期費用を考えると一度は躊躇したものの、俊也氏がワンオペで営業するのにちょうどよいコンパクトさや、同世代の住民がたくさん行き交っていたこと、同じように夫婦で営む個人店がいくつかあったことが決め手になったと話す。

一般的に考えれば、「ベッドタウン近くの下町商店街」と「スタイリッシュなワインビストロ」との親和性はあまり高くないようにも思えるものだが、栗下夫妻は「逆に後押しになった」と語った。近隣で長く暮らしてきた俊也氏自身が、都心の繁華街、それも渋谷や恵比寿周辺まで出なければ、本格的なワインや料理がカジュアルに楽しめる店がないことを不自由に感じていたからだ。「あったらいいのに」と思うことが、何度もあったという。

「同世代が多く暮らす街だからこそ、同じようなニーズはきっとある。店を定着させることさえできれば、そのニーズは一気に取り込めると思った」と、俊也氏。同様の店がないことをいわば逆手に取り、この街でのオープンへと踏み切った。

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。