シャルキュトリー人気の背景には何がある? きっかけはバル・ビストロの急増
赤身肉、熟成肉、ジビエの次は……。
空前の肉ブームを迎えているレストラン業界。東京都内には肉バルが次々とオープンし、さらには海外発のステーキハウスも上陸。ブームは下火になるどころか、ますますの熱気を帯びてきている。
「赤身肉」「熟成肉」「ジビエ」…。この肉ブームを牽引してきたキーワードだが、ここに今、新たな言葉が加わろうとしている。「シャルキュトリー」だ。
シャルキュトリーとは、簡単にいうと肉の加工品のこと。たとえばハムやソーセージ、さらにはパテやテリーヌもシャルキュトリーに含まれる。発祥はフランスで、もともとは余った肉片をハムやソーセージに加工しだしたのがきっかけになったのだとか。
近年のバル・ビストロブームが、シャルキュトリー人気のきっかけに
日本でシャルキュトリーの人気が高まり出した背景には、カジュアルなワインバーやビストロがここ数年の間に急増したことが挙げられる。しかも各々の店舗が個性を打ち出そうと、シャルキュトリーを独自開発しだしたのも大きな理由だ。
たとえば八丁堀の『シュングルマン』はブーダンノワールやフォアグラのパテを独自開発。それらを盛り合わせた「彩々シャルキュトリー」は、シャルキュトリーの魅力を一気に堪能できる名物メニューとして人気だ。
また西荻窪の『29』は、イタリアの精肉店&レストランで修行を積んだシェフが、皮付き子豚のポルケッタ、ソプレサータなどの自家製ハムを提供。オープンから間もないにもかかわらず、すでに予約困難なほど高い人気を博している。
シャルキュトリーの種類はじつに450種類を数えると言われている。比較的手ごろな価格で味わえるだけに親しみを感じやすいが、知れば知るほど、その奥深さに驚きを感じるはずだ。
今回はそんなシャルキュトリーの魅力について、全4回の連載記事を通じてご紹介していく。次回更新は5月20日(水)。次回はシャルキュトリーの歴史や種類について詳しくお伝えしていく。
Editting&Text/Hirokazu Tomiyama