梅雨の時期なのに、6月が結婚式シーズンなのはなぜ？

Photo by Kelly Sue DeConnick「Wedding Scans」

ジューンブライドは結婚式場の戦略だった？

6月といえば結婚式シーズン。梅雨の時期にもかかわらず結婚式が盛んに行われているのは、「ジューンブライド」という言葉が強く影響しているからだ。

「ジューンブライド」を直訳すると〝6月の花嫁〟となる。ヨーロッパでは、6月に結婚する花嫁は幸せになるという言い伝えがあり、それを結婚式場がキャンペーンとして利用。結果、〝6月＝結婚式シーズン〟というイメージが定着していった。

ちなみにこのヨーロッパの言い伝えには、3つの説があるらしい。簡単にご紹介しよう。

1、女神「JUNO（ユーノー）」説
ローマ神話のなかで結婚を司る女神とされている「JUNO」。英語で6月を表す「JUNE」は、この「JUNO」に由来しており、それが理由で、6月に結婚する女性は幸せになれると言い伝えられている。

2、ヨーロッパでは6月は結婚解禁の月だった説
昔のヨーロッパは農作業が忙しいという理由で、3～5月に結婚式を挙げることができなかった。そのため、6月はヨーロッパ中が結婚式ラッシュとなり、この幸せムードたっぷりの月に結婚した花嫁は幸せになれる…とされてきた。

3、気候がいい説
ヨーロッパで、一番気候がいい季節は6月。雨が少なく、昔から結婚式を挙げるタイミングとして最適とされてきた。しかし日本の6月といえば、ほとんどの地域で梅雨真っ最中。そのため、6月に結婚式を挙げるカップルはもともとは少なかったようだ。それを危惧した結婚式場が、「ジューンブライド」というキーワードを掲げてキャンペーンを実施。見事、成功したというわけだ。

レストランウェディングの魅力って？

さて、人生で最も幸せな瞬間とも言える結婚式。その様式はさまざまで、定番といえる専門式場やホテルでの結婚式、そしてレストランウェディング、さらに最近はゲストハウスでの結婚式も人気だ。なかでも今回は、レストランウェディングの魅力についてご紹介したい。実際にレストランウェディングを挙げた方に話を伺ったのご紹介しよう。

都内に住むSさんは、32歳のときに結婚。まさしく「ジューンブライド」である6月に結婚式を挙げた。場所は広尾のイタリアンレストラン。60名ほどのゲストを呼び、費用は総額で280万円だったという。

まずはレストランウェディングを選んだ理由について教えていただいた。

「もともと僕は結婚式を挙げることに対して積極的でなくて…。結婚式のような大舞台で、主役を演じるのがなんだか気恥ずしかったんですね。でも妻からは『一生に一度だからちゃんと結婚式を挙げたい』と言われていて。どうしたものかなぁ…と考えた結果、結婚式場みたいなところで盛大に披露宴を挙げるのではなくて、気の置けない仲間たちと一緒に、小さな結婚式を挙げようってことになりました。そうしてたどり着いたのがレストランウェディングだったんです」

招待客は親族と友人だけ。仕事関係の仲間は二次会から参加いただいたのだか。ちなみにレストランウェディングといえば料理が美味しいのが大きな魅力だが、実際のところはどうなのだろう？

「じつは披露宴の最中は結構緊張しちゃってて、料理をまともに味わう余裕がなかったんです（笑）。参列してくれた両親や友人の感想を聞くと、とても美味しかったみたいですけどね」

せっかくの美味しい料理をじっくりと味わえなかったとは少々気の毒だ。料理以外で印象深かったことはあるのだろうか？

「ケーキ入刀ぐらいのタイミングだったと思うんですけど、お店側からのサプライズとして、ホールスタッフ、そして厨房スタッフが全員フロアに出てきて、一列に並んでお祝いの歌を歌ってくれたんです。20名以上いますから結構な迫力でしたし、突然の演出だったので、驚いたのと同時にとても嬉しかったのを覚えています。あとは、これは結婚式後の話なんですけど、何度かこのお店に夫婦で食事に訪れていて、その度に、結婚当時のフレッシュな気持ちを思い出しています。これって結婚式場やホテルではなかなか味わえないことなのかもしれません」

新婚生活の初々しさも、月日を重ねるうちに少しずつ失っていく。もちろんその先には、より円熟した結婚生活が待っているが、ときには結婚当初の新鮮さを思い出すのも大切だ。レストランウェディングは、この新鮮さを取り戻すためにも一役買ってくれるというわけだ。

最後にレストランウェディングを考えている方に、結婚式を楽しむためのポイントを聞いたのでご紹介したい。

「レストランウェディングを選択する方は、恐らくアットホームな結婚式を挙げたい、という方が多いと思います。ゲストとの距離も近いはずなので、参列者と積極的に絡むような企画を、お店の方や友人と一緒になって考えてみると、より楽しい結婚式になるのでは。祝福もされるけど、せっかく来ていただくのだからしっかりと楽しんでもらう…という意識を持つことが大切だと思います」

ホテルなどで行う大規模な結婚式とは、また違った魅力を味わえるレストランウェディング。会場一体となってお祝いムードを作るのには、一番最適な選択肢なのかもしれない。