『大衆酒場 ろくばん』に学ぶ“下町出店”の極意。門前仲町で3店をドミナント展開!
寺町として古い街並みが広がる一方、東京メトロ東西線と都営大江戸線が乗り入れ、交通の便の高さから高級住宅地としても注目度が高まっている東京都江東区の門前仲町。この地に居酒屋3店を集中出店しているのが株式会社杉六だ。
同社代表の上杉大介氏は「物件ありきで『今の街に必要な居酒屋』をつくってきた」と説明する。最新店の『大衆酒場 ろくばん』の業態づくりのプロセスを追い、繁盛店開発のポイントを探った。
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9~12坪、18~34席の小規模店で月商300万~380万円を弾き出す
「富岡八幡宮」と「成田山 深川不動堂」という二大寺社を抱え、その周りに下町風情あふれる街並みが広がる東京・門前仲町。このエリアに『鶏・焼酎・泡盛 杉六 -sugiroku-』『下町酒場 六傳 ろくでん』『大衆酒場 ろくばん』の居酒屋3店をドミナント展開しているのが株式会社杉六だ。
同社が運営する居酒屋3店に共通するは、9~12坪、18~34席という小規模店であること、ハイエンドとカジュアルを融合させた和食居酒屋のスタイルを採っていることの2点。一方で、『杉六』は鶏料理と焼酎、『六傳』は鮮魚料理と日本酒、『ろくばん』は大衆酒場料理とサワーがメニューの柱だ。客単価も『杉六』が4,500円、『六傳』が5,500円、『ろくばん』が3,900円と店ごとに異なる。
画像を見る創業店の『杉六』のオープンは2007年4月にさかのぼるが、『六傳』は2021年4月、『ろくばん』は2023年12月と両店ともコロナ禍後にオープン。
店ごとに業態をチェンジさせながら、月商300万~380万円、坪月商換算で25~39万円を売り上げる繁盛店を次々と輩出している。同社代表の上杉大介氏は「コロナ禍前とコロナ禍後で門前仲町の居酒屋マーケットは変化しています。物件ありきで『今の街に必要な居酒屋』をつくってきましたが、結果としてそれがうまくいきました」と説明する。
ここでは最新店『ろくばん』の開発プロセスを追いながら、上杉氏の語る「いまの街に必要な居酒屋」を編み出すためのポイントを探っていきたい。