代々木上原『タレーリン』、モダンタイ料理×ワインで大盛況。客単価1万円超でも人を呼ぶ
2024年版「アジアのベストレストラン50」にて、バンコクのレストランが8店もランクインするなど、今、タイのフードカルチャーが熱い。日本でもハーブやスパイスブームが追い風となり、ワインのペアリングも楽しめるような上質なモダンタイ料理レストランが少しずつ増えてきた。
そんなタイ料理の新たな境地を東京で切り開いているお店の一つが、2023年1月26日にオープンした代々木上原の『thalee ling(以下、タレーリン)』だ。運営会社である株式会社Root代表取締役の猿田伸幸氏と、シェフの渡部雄氏にオープン経緯や、モダンタイ料理の現在地と可能性、店づくりのノウハウを聞いた。
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画像を見るビストロ、イタリアンを手掛けてきたRootがモダンタイ料理に挑戦したワケ
2012年にオープンしたビストロ『SARU』を皮切りに、現在都内に『SARU』ブランドの3店舗、イタリアン『COZARU』、千葉大学構内のカフェレストラン『MOKU』の計6店舗を展開している株式会社Root。これまでイタリアン、フレンチと洋食業態を展開してきたRootが、『タレーリン』で初めてアジアン業態に取り組んだ背景には物件との出合いがある。
窯焼きピッツァの名店『エンボカ 東京』のオーナーが、軽井沢のお店に専念するため、東京の店舗を手放すという話を不動産会社経由で耳にした猿田氏。物件を内見し「ぜひここで飲食店を開きたい」と思い契約を決めた。
画像を見る業態を考える上で猿田氏が大切にしたのが「代々木上原にない業態」「目的来店してもらえるような店」の2つだ。物件の立地は代々木上原駅から遠くはないものの、商店街から一本外れた閑静な住宅街のため、ウォークインで入るようなカジュアル業態は難しい。わざわざ足を運びたくなるような、コンセプトのしっかりしたレストランにすべきだと猿田氏は考えた。
また、代々木上原はここ10年くらいでグルメ感度の高い人が集う街へと進化している。ビストロやイタリアンなど洋食ジャンルは競合も多いため、それ以外のブルーオーシャンを見極める必要があった。
そこで思い至ったのが、猿田氏がアジア料理レストランのマネジメントをしていた時代に研修で巡った世界各地のアジアンレストランだった。
「ニューヨークやロサンゼルス、シドニーでは、アジアンレストランが確固たる地位を確立していました。今はさらにそのムーブメントが加速しています。東京にはまだまだ特別な日に使えるような、ワインとともに味わうアジアンレストランがそこまでないため、うまくいけば目的来店を促せると考えたんです」とコンセプトの経緯を明かす。