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悪立地でも大ヒットの西新宿『サガノサカバ』。進化版“ご当地酒場”の勝ち筋

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『サガノサカバ』を運営する株式会社funfunction『佐賀県三瀬村 ふもと赤鶏』統括店長の山内優祐氏

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『ご当地酒場 北海道八雲町』や『佐賀県三瀬村 ふもと赤鶏』など、日本各地の生産者とがっちり手を組んだ独自スタイルのご当地酒場によって事業成長を果たしている株式会社funfunction。同社が進化版のご当地酒場として2024年7月にオープンしたのが東京・西新宿の『サガノサカバ』だ。

新宿駅近くの繁華街にあるものの、エントランスの小さいビルの地下1階に入居。そんな視認性の悪い立地条件をものともせず、目的客をがっちりとつかんで抜群の集客パワーを発揮している。

ご当地酒場をグレードアップした狙いと悪立地を克服するためのポイントについて、同社『佐賀県三瀬村 ふもと赤鶏』統括店長の山内優祐氏に伺った。

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白木のカウンターをメインにしながら、壁面に打ちっぱなしのコンクリート壁やレンガ壁を織り交ぜたモダンな内装デザイン(画像提供:funfunction)

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視認性の悪い立地条件を逆手にとった隠れ家的な店づくり

株式会社funfunctionは日本各地の生産者と手を組み、生産地名や食材を屋号に打ち出したご当地酒場によって事業成長を果たした外食企業だ。

『ご当地酒場 北海道八雲町』や『佐賀県三瀬村 ふもと赤鶏』、『高知県芸西村 土佐鶏』など、東京都内に直営13店、フランチャイズ5店を展開。同社の独立支援制度を利用して2015年7月にオープンした『ご当地酒場長崎県五島列島小値賀町 日本橋店』など、独立者の店を含めたグループの総店数は31店に達するが、その最新店として西新宿に2024年7月にオープンしたのが『サガノサカバ』だ。

『サガノサカバ』は既存のご当地酒場とは打ち出し方を変えている。屋号に地名そのものを表記するのではなく、カタカナにしている点からも読み取れるが、その狙いを山内氏は次のように説明する。

店舗規模は23坪46席。客席はカウンター、テーブル、ボックスシートの他、6人収容の個室席も用意する(画像提供:funfunction)

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「打ち出し方を変えようと考えたきっかけは物件の立地条件でした。JR新宿駅南口からアクセスがいいものの、ビル地階に入居していてファサードの視認性が極端に悪かった。それなら、悪条件を逆手にとり、アンダーグラウンド感のある隠れ家居酒屋のスタイルを採り入れてご当地酒場をさらに面白くしようと発想したわけです」

メインターゲットとする年齢層は30~50代。近隣に『佐賀県三瀬村ふもと赤鶏 西新宿店』も出店しているが、「こちらの店のお客さまは20代後半~40代がメイン。『サバノサカバ』はモダンな内外装デザインを含め、トレンド感や遊び心を採り入れることによって今の時流を意識したご当地酒場を志向しました」と山内氏は説明する。

「佐賀市」を業態テーマにプラスして付加価値化

客単価は『佐賀県三瀬村ふもと赤鶏 西新宿店』の5,000円に対し、『サガノサカバ』は5,500円。業態とメニュー構成は『佐賀県三瀬村ふもと赤鶏』を下地にしているが、『サガノサカバ』はそこに「佐賀市」のテーマを追加して付加価値化を図っている。

フードのメインアイテムは希少部位を含めて16品を揃えるみつせ鶏の串焼きで、中心価格帯は198~275円

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定番メニューは名物、みつせ鶏の串焼、お野菜、逸品など11カテゴリー計45品をラインアップしている。それらのカテゴリー分けや24品の商品については『佐賀県三瀬村ふもと赤鶏』と共通だ。

メインアイテムは佐賀から直送するみつせ鶏の串焼き。名物メニューの「レバテキ」(649円)や「ハツテキ」(649円)、「もも肉」(275円)や「ねり 塩」(330円)など16品を揃える串焼きの品揃えも『佐賀県三瀬村ふもと赤鶏』のメニューを踏襲している。

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。