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スパニッシュイタリアンで坪月商58万円! 学芸大学『カルボ』に学ぶ洋食居酒屋の作り方

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右奥から時計回りで「カルボサワー」(650円)、「ヤリイカと春野菜のサラダ」(1,100円)、「初鰹のカルパッチョ」(1,430円)、「黒豚のTボーンステーキ」(2,750円)

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炭火焼き・藁焼き料理に、自家製サワーを揃えオリジナリティも追求

メニュー表には、「ミックスオリーブ」(500円)のおつまみから1,000円程度の前菜や温菜、300グラムほどとボリューム満点な「黒豚のTボーンステーキ」(2,750円)などのメイン類、デザートなど幅広く並ぶが、1,000円台のものが多いだろうか。薪火で表面を焼いたヤリイカに春野菜、ブッラータチーズを合わせ、オリーブやアンチョビを使ったタプナードソースを回しかけた「ヤリイカと春野菜のサラダ」や、藁焼きした「初鰹のカルパッチョ」には、同じく薫香が楽しめるいぶりがっこを合わせるなど、組み合わせの妙が光る。『パブロ』よりもカジュアルな値段設定と雰囲気のお店でありながら、わかる人が食べたら「この料理、この値段でいいの?」という驚きを与えることで、見事にリピーターを獲得した。

スペインのローカルフード「エストレジャードス」などは知らない人でもわかるように、フライドポテト、生ハム、ニンニクマヨ、半熟目玉焼きと補足するなどの工夫も

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ドリンクもワインだけでなく、ビール、サワー、ウイスキー、ジンなど、居酒屋系ドリンクを充実させた。サングリアのほか自家製レモンチェッロを使った名物の「カルボサワー」や、ローズマリーを効かせた「季節のヴィネガーサワー」など、オリジナルグラスに入ったオリジナルドリンクも人気だ。

ドリンクも400〜920円と手が届きやすいメニュー展開で、スパニッシュイタリアンながら居酒屋定番のサワーを豊富に揃える

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客単価5,000円、14.5坪28席で月商約850万円

メニュー作りで意識していることを聞くと「スペイン語やイタリア語など横文字はとっつきにくい場合もあるので、わかりやすいネーミングにしています。たとえばウニのフランという料理があるのですが、語感やイメージで伝わるよう『ウニウニプリン』にしていますし、肉詰めパスタのラビオリも『餃子』と記載して親しみやすくしていますね」と由利氏は答える。

フードやドリンクの原価については「全体で30%以下に抑えられればいいと考えています」と話す。例えば2019年の「全国タパス選手権」でオーナーの由利氏が優勝をおさめた「鮮魚のパリパリ包み揚げ」(1,200円)は看板商品として多くの人が値段をそこまで気にせず注文すると踏み、原価率は15%と低めに設定。その分、他の料理に原価をかけるなど、全体でバランスを取っている。

現在『囲炉裏バル カルボ』の客単価は約5,000円、男女比率は3:7。14.5坪、28席で月商850万円という好成績を残している。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。