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スペイン版鉄板焼き“プランチャ”が楽しめる『カルボ 渋谷店』もこの春オープン
2024年3月10日には、中目黒『パブロ』の2号店だった渋谷のスペインバル『Llevant(ジェバン)』をリニューアルし、『カルボ 渋谷店』としてオープンさせた。
「本格的なスペイン料理は、誰でもできる料理ではないため、『パブロ』のようなしっかりスペイン料理を伝えるお店を作るとなると、キャラが立つ人じゃないと難しいんですよね。その点、酒場要素を取り入れた『カルボ』ブランドは横展開しやすい。ちょうど『Llevant』の料理長が独立することになったので、そのタイミングで、『カルボ 渋谷店』としてリニューアルすることにしたんです」とその経緯を明かす。
画像を見るしかし今回は物件の契約上、薪や炭が使えなかった。フライパンではない調理法で何かできないかと考え、由利氏が思い至ったのがスペインの大衆的な食文化である鉄板焼きの「プランチャ」だった。
「プランチャは食材のエキスや肉汁がこぼれ落ちず、鉄板にこびりついたおこげもうまみとして使えるし、素材の味が生きる料理です。一度にたくさん調理もできて効率的。お客さまの目の前で調理するライブ感もあり、コンセプトに据えてみました」
料理については「新店に慣れていないスタッフもいるということで、学大と一緒のメニューも取り入れています。とはいえ、面白いことをしつつプランチャを活かしたいので、直取引している天草大王の出汁を使った“スープパスタ”という名のラーメンなんかも提供したりしています」と話す通り、渋谷店限定メニューも面白い。
画像を見る渋谷ということで若年層の来店も意識し「面白くて映えるけど、ちゃんとおいしい料理」を追求しており、由利氏の欲望を体現した「濃厚カルボナーラ 目玉焼きハンバーグトッピング」(3,000円)などもある。
コロナ禍にリースした物件だったため初期費用は高かったが、賃貸費用は18坪で月52万円と破格だった。『Llevant』時代から9割ほど店を作り替えたためリニューアルの費用はかかったというが、学芸大学『囲炉裏バル カルボ』の知名度も高かったため、ターミナル駅・渋谷という立地もあいまり集客は上々だという。
スタッフが楽しく働くことで定着率が上がり、良い店の雰囲気が生まれる
中目黒、学芸大学、渋谷、さらには福岡など出店が続くVisca。由利氏は「個人店の集合体」ととらえ、それぞれの店、それぞれのスタッフに合った働き方を実現できるよう心がけているという。
「人が辞めない会社、お店づくりをするようにしています。仕事をする上で何を大切にしているかを各人に聞くよう、各店舗のボスにもしっかり伝えていますね。やはり、スタッフが楽しく働くことがお店の雰囲気作りにおいて大切ですから」
現在社員13人、アルバイトは25人弱。創業から6年が経ち、退職した社員は、独立で辞めた人も含めて2人だけだという。
今後、恵比寿にスペイン料理の新店を出店予定のVisca。とはいえ店舗展開に意欲的というよりは「やりたいという仲間がいたら、次に動きたい」と由利氏は考えている。何よりも一緒に働く人がいるかどうか、楽しく働けているかどうか、それが指針になっているようだ。
『囲炉裏バル カルボ』
住所/東京都目黒区鷹番3-7-13 ホワイトウエル鷹番2F
電話番号/03-6303-2236
営業時間/15:00〜24:00(料理L.O.23:00、ドリンクL.O.23:30)
定休日/不定休
席数/29
公式Instagram
『カルボ 渋谷店』
住所/東京都渋谷区道玄坂1-16-15 道玄坂NKビル1F
電話番号/03-6416-3224
営業時間/12:00〜14:30(LO 14:00)
17:00〜23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日/不定休
席数/34
公式Instagram